「知ってたら

何を置いても真っ先に
日本に帰国してるわよ」


「…ふ〜ん。

犯人は
そのタイミングを
狙ったのかね」


「うほほほほッ♪」

セイに
脇をコチョコチョされて

少女が
声を上げて悦んでいる…。


「悪いコトは言わない。

そのお友達と
連絡がとれるまで

ヘタに動かないコトだ」


「…チャンスなのよ」


年下オトコの
お節介なまでの忠告を

ジュナさんは
簡単に拒絶してッ


「ハッ…! 呆れたッ!」

セイのプライドが
暴走し始めたッ!!!


「まだ
目が覚めないようなら

いいコトを教えてやろうか」


セイの語気が強くなる。


「隣りの部屋の
撮影用のカメラだけどさ。

俺がこの部屋に入ったとき
動いてたんだよな」


え…。


「監視カメラじゃないのなら
誰が操作してたんだろうね」


「そんなハズ…!」


「間違いないよ。

だから俺はてっきり
あのカメラが監視用で
今も動いてるんだ、って

思い込んで
しまったんだからさ」


「……」

ジュナさんは
真っ青な顔で隣りの部屋に
飛び込むと

カメラの位置を
確認して回る。


「ジュナさん?」