「このホテルに
集まってきたのは

どうやら
あのオトコだけじゃ
なかったみたいだし」


え?


セイのセリフに

ジュナさんは
セイの傍に駆け寄って。



セイが覗いていた窓の
カーテンを

勢いよく開けると


「!!!!」

ジュナさんが絶句して。


「凄いよな。
何の宗教団体かと思っちまう」


私も
ジュナさんとセイの間から
顔を出して

窓の外を見る。


…もう辺りは真っ暗で

目の前には
真っ暗な公園と
ビル群の夜景が
広がっていた。


「下だよ、下」

「?」


セイに言われて
ホテルの下に目をやると

無数のちいさな灯りが
あちこちで揺れていて。


一瞬
何のイルミネーションかと
思った。


「ほら
向かいのビルの屋上も」


セイに言われるまま
視線を上げると


「ヒトツ!?」


よく目を凝らして見ると

人間が手に手に
ペンライトを持って
ゆらゆら、と揺らしている。


「なッ、何なのコレッ!?」


外タレでも
このホテルにお泊まりでも
しているのかッ。


「…『彼』が
亡くなったコトが
報道されたときと同じ…」


え。


「『彼』の死を悼んで

ファンが一晩中
ペンライトを
振っていたんだよね」