乱れ咲き♂026
「や、やっぱり
警察に知らせて
何もかも話した方が
いいと思うッッ!!」
いくら警察内部に
犯人、またはその関係者が
いるとしても、だ。
もうこれ以上
私達の手に
負えなくなってるよ!!!
「この子だけを
守っていれば済むって
問題じゃなくなってきたしッ。
犯人は複数犯だって
コトだよねッ!!!」
「……」
セイは
興奮する私を横目で見て
「おまえって、ホント
犯人にとって
扱いやすいターゲットだよな」
って
私のアゴを掴んだ。
「犯人はまだ何の要求も
出してないのに
勝手にアタマの中で
話を展開させて
先走ってんじゃねえ〜よ!」
セイの顔がメチャ近いッ。
「…はい」
ドスの利いたその声よりも
迫力があって
ハッキリ言って
美しすぎて
凝視できませんッッ。
油断してると
カラダ中の細胞という細胞が
セイの美しさに
釘づけになってしまって
機能停止状態だッ。
「…犯人にメールを
返信してみる」
ジュナさんが
そう言って
自分のケータイを
セイから
取り返したりしなければ
私はたぶん
世界でもっとも恥ずかしい
キュン死という状態に
追い込まれていただろう…。
「おいおい。
そんな犯人を
喜ばせるようなコトして
どうするんだ」
「だって…!」
セイに
ケータイを取り上げられ
ジュナさんは
戸惑いの声を上げる。
「犯人の要求がないのは
どうしてだと思う?」
「…どうして、って」