そんなの犯人じゃないから
わかんないよねッ。
その持って回った
いつもの言い方は
何とかならないモンなのかッ。
「じゃあ、質問を変えよう。
犯人はどんな要求を
出してくると思う?」
セイってば
ちょっとした
名探偵気取りでッ。
「…この子を
引き渡せ、とか?」
ジュナさんが
部屋のあちこちを
探索して回っていた
少女に目をやった。
「じゃあ、外にいる信者は
何の為に集まってるの?」
「…この子を
ファンの前に晒せ、とか?」
セイに
先導されるようにして
ジュナさんが
素直に答えている。
「甘いね。
どこか真っ暗な部屋に
ひとり閉じ込めろ、とか。
ホテルの最上階から吊るして
ホテルの壁に
絵を書かせろ、とか。
もっと
いろいろあるじゃない?」
って。
セイの発想って
どこか恐ろしい…。
「……」
ほら見てよッ。
ジュナさんが
凍りついてしまってるッ。
「まあ、いいや。
で、こちらが
犯人の要求を飲まなければ
どんなコトをするんだろうね」
「……」
ジュナさんは
黙っているけど。
当然だ。
そんなコト
想像だってしたくない。
なのにッ。
「トーコはどう思う?」
なんてッ!!!!
セイってばッ
どうして
私に話を振るかなッッ!!!