「犯人は
ヒメミヤの奥さんを
どうするつもりだと思う?」


「……」

そんなの
想像したくもないよ…ッ。


私はセイを睨みつけていた
自分の目線を床に落とした。


「犯人ってさ。
何人いるのかな?

病院とココと…」


セイのコトバが
弾んで聴こえるのは

気のせいだと思いたい。


「……」
「……」

ジュナさんも私も

その最悪のシナリオを
想像して

声も出せずにいるというのに。


「うほほほほ〜お♪」

当の本人は
我関せずとばかりに
はしゃぎ回ってて。


「お〜うお〜うッ
ほっほっほ〜お、おッ♪」


目の前を
駆け抜けようとした
少女のカラダを

セイが掴まえる。


「ほ〜ら

おねえさま方が
おまえの未来を憂いてるぞッ」


「うひょほほほ〜う♪」

セイに
お腹をこそばされて

少女が嬉しそうに
のたうち回ってる…。


「セイってば
何考えてるのよ…ッ!」

私は
少女をセイから取り上げて


「ヒトを
不安にかき立てるような
コトしか言わないで

その賢いアタマで
具体的に対策を
考えたらどうなのよッ」


思わずセイを
怒鳴りつけてしまった。


私の腕の中

「…おお?」

抱きしめられながら
少女が初めてしずかになる。