「…な〜んて、ね」

セイがマジな目をして


ケータイの画面を

どこぞのコ〜モン様の
印籠みたいに

見せつけて。


「よく見ろよ。

この画像ってさ
病院の
集中治療室だろ?」


「……」

セイのセリフに

私とジュナさんは
身を乗り出して

その画面に集中した。


「これってさ。
別に今日の画像とは
限らないと思わない?」


…そう言われてみれば。


「……」

ジュナさんが
セイからケータイを奪うと

送りつけられてきた
画像データを確認する。


「…画像のタイトルが
日付じゃない…」


「そう。

普通
撮った時間が
そのまま画像タイトルに
なるのに

その画像は
わざわざタイトルを

『彼』の名前に
編集してから

送りつけて来てる」



…確かに。


今まさに
そこに犯人がいるんだぞ、って
脅したいのなら

日付を入れる方が
絶対に効果的で。


「送りつける寸前に
タイトルを今の日時に
編集すれば済むコトだったのに

それをしなかったのは
どうしてか?」


セイがさらに
畳み掛けてきた。


「トーコ、わかる?」

って。

私に先に訊かないで
くれますかッ。


「…犯人の周りに誰かいて

そんなコトが出来ない
状況下で
メールを送りつけて来てる

とか?」


「ジュナさん
冴えてるじゃん」

セイがおどけてみせてッ。


…セイは絶対に
私をからかいながら

この状況を楽しんでいるッッ。