「恐らく誰かと
わざと話し込むとか
アリバイを作りながら
ポケットの中で
送信の操作をしたんだろうね」
「…と言うコトは
犯人は単独犯の…」
「可能性が高いね」って
セイがニッコリと
笑って見せてッ。
「犯人がこんなモノを
送りつけてきたのは
俺達にいろんな妄想を
膨らませさせて
パニックにさせるコト」
え。
「犯人は
こっちからメールを返しても
返事が出来ない状況だからな」
要求なんか出したら
何か質問が
返信されてくるのは
わかっているし
「その返信を無視するのは
不自然だろ?」
…その通りかも。
だけど。
「…だとしても
私達どうすれば…」
ジュナさんの戸惑いも
もっともで。
「犯人がくるのを
ここでじっと待ってれば
いいんじゃないの?」
…セイッ。
そのジョークは
笑えませんからッ。
なのにッ。
「ほら、ダケンッ!
隣りの部屋で
折り紙、折るぞ!」
「おうッ!」
私の腕の中から飛び出して
少女は尻尾を振って
セイの後についていくッ。
「セイくんッ
ちょっと待ってよ!」
ジュナさんも
セイ達の後を追って
隣りの部屋に
入って行ってッ。
「トーコッ。
カギを閉めちゃうけど
おまえは犯人をそこで
お出迎えでもしているか?」
冗談じゃないですッッ!!!