こうしてる間にも
犯人は次の手を準備して
いるんではないのだろうか。
「…やっぱり
警察にみんな話す方が
いいのかな」
ジュナさんが
複雑な思いを口にした。
「そうですよッ」
犯人が単独犯だって
わかったんだしッ。
「怪しくない刑事さんを
だれか選んで相談するとかッ」
ジュナさんの気持ちに
応えたつもりだったのにッ。
「怪しくない刑事って
誰のコト?」
セイってば
どこまでも意地の悪いッ。
「…そうなんだよね。
アイツが犯人だって
確証があれば
こんなに自分の力で
何とかしようなんて
思わなかった」
って。
ジュナさんまで〜ッッ!
「犯人はぶっちゃけ
あの婦人警官じゃ
ないんですかッッ!!!!」
ですか〜
ですか〜
ですか〜〜〜〜〜〜。
私の声の余韻が
いつまでも
部屋の中にコダマしてッ。
「どうしてジュナさんまで
黙ってるんですかッ!?」
「…たぶん、あの婦人警官は
カンケイないと思うから」
えッ。
「あの婦人警官。
スカート穿いてたし」
って
ジュナさんってば
そんなコトくらいでッ。
「どっかで
着替えたんですよッ。
コートを着ていなかったのも
そのせいですよ!!」
「…あの婦人警官は
ストッキング穿いてたけど
犯人は靴下を履いていたの
覚えてる」
えッ。
「汚ったない靴だったから
凄い印象に残ってて…」