「…ヒメの実家
仏教徒だもんね」
ジュナさんが苦笑して。
「『彼』の絵は
教会に永久保存されていたり
するのにね」
なんて。
…生まれ変わりなんかじゃ
ないんだ、って
見せつけられているような
気がして
『彼』の残像を
いつまでも
追っているかのような
ヒトにとっては
そういう少女の興味は
あんまり
歓迎したくないんだろうな…。
「ほら、肥満鶴なんか
折ってないで
おまえも少しは
おたまじゃくし教の
信者獲得に努めろ」
って。
セイッ
アンタねえッ。
「もうすぐお客さんが
やってくるし」
え?
「お客さん!?」
「スペシャルゲストを
招待したんで
この部屋を少しでも
明るく飾りたいな、と
思ってさ」
「セイくんッ。
お客さん、って…」
セイのコトバに
ぶったまげたのは
当然、私だけではなかった。
「たぶん
カードキー持ってるから」
迎えに出なくてもいいから
「お気遣いなく」って
普通のコトみたいに
シラ〜、っと
言ってのけてるけどッッ。
「カードキーを
持ってるって…」
ジュナさんの顔が
蒼白になる。