「…もしかして

ヒメのコト
逆恨みでもしてたワケ?」


ジュナさんの声が
静かな部屋にやたら響いて。


「アンタの部下が
ヒメのコト

やれ育児放棄だ
やれ不倫グセだと

決めつけて掛かって
いたのは」


ネットのウワサを
真に受けて
信じていたんじゃなく


「アンタの見解を
鵜呑みにしていただけ
だったんだ?」


「……」

ジュナさんの指摘に
俯いてしまったのは

婦人警官とニッタ刑事で。


それは

ジュナさんの
言っているコトが

決して
見当違いでは
なかったコトを

意味していた。


「ニッタさん達は
まだ若いから」

経験豊かな刑事である
おやっさんの勘を
鵜呑みにしちゃってるのも
仕方ない、って


セイッ。

その達観したモノ言いは
おじいちゃんみたいですッ。


「疑いもしない
ニッタさんを使って

俺達を
上手く誘導したかった
みたいだけど、さ」


やり過ぎたよね、って

セイの声が

低く響く。



「俺のトーコの
ペチャンコの顔を
さらに潰して
真っ平らにした

その罪は深い」


って。


もしもしもし〜。

鼻が低いのは
元々ですからあああああ。


さりげに
私の悪口を言わせたら

セイッ。

アンタが世界一ですッ。