「予定外の
俺達という珍客に

焦っちゃったのが
敗因のひとつだよね」


ジュナさんを
脅すつもりで用意してあった

変装セット。


「トーコが現れたモノだから

トーコを襲うトコロを
ジュナさんに
見せつけるコトで

ジュナさんとトーコ
ふたり一度に脅かすコトに
したんだよね?」


でなけりゃ。

「コンクリートに
顔をぶつけられて

骨折もせず
鼻血で済むなんて

有り得ないからさ」


トーコは直接
壁に打ちつけられたと
思い込んでいるみたいだけど


「実際には
コンクリートの上の
アンタの手に向って

トーコは
打ちつけられて
いたんだよね?」


「……」


「ウチのトーコってば
その辺のオンナノコと
違って

ケンカ慣れしてるから

首に力を入れられて
抵抗されてしまったから
力の加減が
上手く出来なかった」


…確かにッ

身に覚えがありますッ。

私、とっさに
首に力を
入れてたかも、ですッ。


「とっさに
銃を抜いてしまったのも

アンタの計算外」


相手はオンナノコだと
ナメて掛かってたら

ふたりとも
やたら反射神経がよくて。


「下手すると

ふたりに返り討ちに
されかねない、と

仕方なく
銃でその場を
凌いだんだろうけれど」


「……」
「……」

…思わずジュナさんと
目が合ってしまった。