『よかった〜…。

またセイくんのコト
怒らせてしまってるんじゃ
ないか、って

心臓が止まるかと思ったよ』


って

電話に出ないくらいで

毎度毎度
大袈裟なッ。


だいたい

電話を掛けても
相手がスグに出ないから、って

嫌われたのかも、と
不安になる


その
ふたりの関係性からして
おかしいと思うのだがッ。


「先生はセイの先輩でッ。

その上
セイの元・バイト先の
上司なんだしッ」


歳だって
ウチのパパと
変わらないんだからッ。


「もっとセイに対して

上から強く出てもいいと
思うんですけれどッ」


「…誰の上に出ろ、と?」


その不機嫌な声に
振り返ると


冷た〜い目をした
セイが立っていてッ。


「あはッ。

長く電話がかかるって
言ってたのにッ…?」

「おまえの態度が
気になったから」

早々に切り上げた、って。


「音もなく

背後から忍び寄るのは
止めようよねッ」


「あ〜、もしもしッ
セイですけどッ」


私の訴えを軽くスルーして。


「だからッ!

俺、今、すっごく忙しいから
無理だって

何度も断ってるだろッ」


セイってば
MAXに機嫌が悪いぞッ。


「そう、だからッ!」

セイが
私をチラリ、見た。


「え〜っと。
次のグラフの〜…」


殺気を感じて

私は慌てて
再び
問題集に
取り組み始めるッ。