セイは
私に背中を向けるようにして
「…先生も
俺のコトなんか早く諦めて
しっかりと
自分の人生設計を
した方がいいと思うよ」
なんて。
セイってば
まるで
男女の別れ話みたいな
会話をしていますけどッ。
「ダメだよ。
先生。それはできない」
アナタ達は
あくまで
オトコ同志ですからねッ!!!
ボキボキボキッ。
持っていた鉛筆に
つい、力が入ってしまうッ。
「…あははははッ」
私の異変に気づいたセイが
冷やかな視線を
送ってきてッ。
…別にッ。
ヤキモチとか
妬いているワケでは
ないんだからねッ。
ゴシ、ゴシシッ。
私は
折れた鉛筆の芯の後を
消しゴムで
クリーニングした。
セイは静かに
私に鉛筆削りを差し出すと
くにくに、と
私の頬っぺたを
捏ね上げて
「チュ」
私の唇に
ちいさなキスを
ひとつ落とす。
「……」
「だからさあ。
そういうのは
テッちゃんにでも頼めば?
適役でしょ?」
セイはそのまま
何もなかったように
ケータイで
話し続けていて。
…ズルイ。