鉛筆削りを
手にしたまま

私だけが
真っ赤になって

固まってしまってる。


「テッちゃんは
幼なじみだから

家族もみんな
オトコだって知ってる、って

俺に言われてもさあ」


セイの手が
電話をしながら
またこっちに伸びてきた。



「40にもなって

そんなコトを頼める
オンナもいないのか」


セイがエラそうな
モノ言いをしながら


また私に
キスをしようとして


「はあッッ!?

相手には
もう教えちゃった、って

何だよ、それッ!?」


セイが
電話の相手に

突然、激高するッ。


「おいッ!
オッサンッ!!

おいッ!!!!」


ツーッツーッツー…。


”あの”セイが
”あの”先生に

一方的に
電話を切られて…。


「…っざけんなよッ」


セイの背中から
怒りの炎がメラメラと…。


…何かあったの?

なんて


声を掛けるのすら
恐すぎで。



「な〜にが

トーコちゃんなら
いくら?

だッ!」


は?