鬼ッ!
冷血漢ッ!
ヒトデナシッ!!!
私は
セイの横顔を見ながら
ココロの中で
考えつく限りの
罵詈雑言の限りをつくすッ。
「…どうしても
勉強する気にならないのなら
する気にさせてやっても
いいんだが…」
「…ふふんッ」
残念でしたッ。
セイお得意の氷なら
とっくに
処分しちゃってるもんねッ。
「どうぞ!」
キッチンでもどこへでも
行ってらしてくださいなッ。
「え〜っとッ。
次のカッコの中の数字を〜…」
私は余裕を見せながら
問題集に向かう。
「何だツマラン」
セイが
練りカラシのチューブを
取り出して。
「刺激的なレッスン。
期待されてるのかと
思っていたのに」
…そんなモノッ。
いったいどういう風に
使うつもりだったのかッ。
私はセイの奇行を
横目で牽制しながら
目の前の数字と格闘するッ。
「鉛筆が動いてないな」
…ゴシゴシゴシッ。
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシッ。
「消しゴムを
ひたすら掛け続けて
答えを思いつくまで
時間稼ぎをしようなんて
そういう浅知恵だけは
働くんだよな」
…ゴシッ。
「やっぱりそのカラダに…」
ぷにゅ〜う、む。
「えッ」
セイの手の中のチューブから
黄色い練りカラシが
顔を出していてッ。
嫌ああああああああああッ。
セイに腕を掴まれ
私は反射的に
ワンピースを引っ張って
自分の股間をガードしたッ。
のにッ!!!!!