私はセイに
幼児みたいに扱われるッ。
「いつまで
手が掛かるんだか」
オモチャにして
楽しんでるのは
そっちだと思われますがッ。
だけどッ。
そんな反論を
しようモノなら
もっと
オモチャにされそうなので
ここは
私の方がオトナになって
グッと堪えてみせましょうッ。
「…トーコ、おまえさあ。
どうせ俺の元に
永久就職するから、って
どこか
人生に安心してないか?」
ギクッ。
「最悪、進学も就職も
出来なくても
3年間、家事手伝い
花嫁修業でもしてれば
いいだろう
なんて
甘〜〜〜いコト考えてない?」
…考えたコトが
ない、と言ったら
ウソになりますけどッ。
セイが私の背中を
自分の方に引き寄せて
私は学習イスの背もたれごと
海老ぞりにされた。
セイの顔が
歯医者さんの診察みたいに
私の顔の傍にある。
首元をホールドされて
その真っ直ぐな瞳から
視線を外せないッッッ。
「……」
いかんッ。
どんどん自分の顔が
茹で上がっていくのが
自分でわかるぞッ。
「…花嫁修業だって
マジでやってくれるんなら
応援してやっても
いいけど」
え。
「俺の為になら
…その
努力してくれるの?」
って。
セイってば
仏のようなやさしい笑顔でッ。
思わずハナミズも
止まってしまうッッ。