はあああああああ。
セイと一緒にいると
毛孔まで緊張しているのが
自分でもわかる。
「くう〜〜〜〜〜〜〜…」
私は学習イスの上で
これ以上ないくらい
伸びをして。
コキコキ、と首を鳴らした。
「あれ?」
私のケータイが
着信している。
誰だろう。
次の模試まで
メール以外
ケータイ電話は
セイに禁止されてる、って
みんなには
伝えてあったハズなのに。
「……」
私は
着信画面をそっと見た。
「えッ」
そこには
あまりにも
お久しぶりな人物の名前が
表示されていて。
【ねずみ〜らんどの先生】
未だに本名を
知らないでいる
あのお方からの
電話だった…!!!!
ねずみ〜らんどで
知り合ったお医者さん。
セイの通っていた学校の
OBで。
セイの通っていた学校の
校医さんで。
セイのバイトをしていた
ねずみ〜らんどの医務室の
お医者さんで。
セイのバイト先の
病院の跡取り息子ッ。
セイに何かと
関わりの深い40代。
なのにッ。
何故に
セイじゃなく
私に電話を掛けてくるッ!?
…しかも
セイがいなくなったのを
見計らったように、ってのは
単なる偶然、と
片づけていいモノなのかッ。
…困ったぞッ。