「…そんなコトは
ないわよね、パパ?」
「…と、思うけど…」
面と向って確かめたコトは
なかったからな、って
パパの顔が
引きつっている。
「ホモだったら
お見合いを
受けたりしないでしょ〜!」
やだな〜
冗談なのに、って
私は
必死でフォローしたッ。
ねずみ〜らんどの先生
みたいなのが
ゴロゴロいたら
日本の未来は
少子化で
大変なコトになるッ。
ほかほかの
白いゴハンを
口にしながら
ニコニコ、とパパ達に
笑いかけて。
「しっかし。
ランチでお見合いなんて
オシャレだよね〜」
話題転換を試みたッ。
「ママとパパも
大学の食堂で
ランチを
いっしょに食べたのが
おつき合いするキッカケに
なったから」
「えッ、食堂じゃ
なかっただろ?」
「やだッ、忘れたのッ!?」
「だって、僕は
あのとき図書館の帰りで…」
「読んでたのは
源氏物語の解説本!
デザートに
わらび餅を選んでたわ」
「…そうだっけ」
「そうよ!!
今日は和食の気分
なんだけどな、って
言いながら
カレーライス
食べてたものッ!」
「大学の傍の
定食屋だった気が
するけれど…」
…何かパパとママ。
私のコト忘れて
ふたりだけで
盛り上がってはいませんか?
私は
メザシに添えられた
大根おろしに
お醤油を掛けながら
目を細くする。