スプリング♂003
私と両想いになる前のセイは
私に当てつけるように
オンナノコを
取っ替え引っ換え
自分の部屋に連れ込んでは
オンナノコの嬌声を
私に聴かせてた。
セイが連れてくるのは
いっつも
私と正反対のタイプの
オンナノコ、で。
まず間違いなく
胸が無駄におおきかった。
「……」
だけど。
今、私に目の前にいる
大正ロマンしている女性は
着物を着ているせいも
あるんだろうけれど
豊満な胸をしているようには
見えなくて。
それとも
…脱いだら凄いんだろうか。
「どこ見てんのよッ!」
大正ロマンが
私の胸ぐらを掴んで
凄むッ。
「あ、いえ
ごめんなさあうあうああ…!」
ホッペを
思いっきり引っ張られッ。
私達、今日が
初対面ですよねえええええ!?
セイより乱暴な
その仕打ちに
やられっ放しに
なっているのは理不尽だ。
だけど
万が一
ウチのセイが
とんでもない仕打ちをした
その仕返しだったとしたら…。
その線も
捨てられないだけに
反撃も出来なかった。
セイがまだ
純情だった中学時代は
セイに気がある
オンナノコ達に
いろいろ
意地悪をされた経験は
あったけど。
セイが派手に
遊び回るようになってからは
気がつくと
私に被害が及ぶコトも
なくなっていた。