「あのね。
以前、コンクールに
セイくんとトーコちゃんの
写真を応募したのは
トーコちゃんも
知ってるんだよね?」
「えッ」
…すっかり
忘れていたけれどッ。
その昔ッ。
セイと初めて結ばれたのが
この先生の
マンションでッ。
セイとふたり
先生のベッドで
ハダカのまま
眠っていたトコロを
先生のカメラに
収められてしまって
いたのだけれどッ。
「あの写真は
絶対
外には出させない、って
セイが言ってましたけどッ」
「…そうなんだけどね」
そうなんだけど、って
それは
どういう意味
なんでしょおかああああッ!?
「僕も校医って立場が
あるからね」
当然、名前も変えて
応募してたし。
「ふたりの顔の部分は
カットして
使わなかったんだけど」
「けど?」
「それがかえって
オトコ同志が
抱き合ってる写真だと
思われちゃったみたいでさ」
ってッ。
私の
オンナとしては残念な胸元を
先生がちらり、見た。
「私のハダカが
オトコノコに
間違われた、と?」
「…申し訳ない」
謝られても
惨めなだけですッ。
「それでッ!?」
私の語気も
当然、自然と荒くなるッ。
「タカヒロには
もしかして
同性愛の趣味が
あるんじゃないか、って
親族に心配されてね」