そもそも

オトコひとりに
オンナが何十人も
用意されているコト自体

不自然じゃないでしょうかッ。


お見合いと言うよりも
牛や馬の品評会みたいで。


ねずみ〜らんどの先生
選ばれる。


ただそれだけの為に

みんなこうして着飾って
ここに集まって
きたんだろうけど。


…ねずみ〜らんどの先生の
おウチって

どんだけのモノだと
ゆ〜んだかッ。


「そう言えば

タカヒロのヤツの
姿が見えんようじゃが」


どこぞで
かわいいオトコノコと
しけ込んで

にゃんにゃん、しとるんじゃ
なかろうな、って


…おじいちゃんッ!!


ほら、見て見てッ。

おじいちゃんのひと言に
会場中が凍りついててッ。


「…あら、まあ。

大先生ったら。
ご冗談が過ぎますわよ〜」


お〜ほほほほ、と

大正ロマンの
白々しい笑い声が
高らかに部屋に響いた。


「タカヒロさんが
こんな歳まで
独身を通してきたのは

研究や勉強に
忙しかったからで…」


形成外科の分野でも
立派な功績をあげていて、と

必死で
”タカヒロさん”を
フォローしているのにッ。


「タカヒロの場合。

仕事より男色の趣味の方が
お盛んなんじゃろ」


ジイサマが
片っ端からぶち壊していくッ。