こんなとき
私はどうすべきなんだろう。
やっぱり
席を外すべきなのか。
私が
セイに握られていた手の力を
抜くと
「……」
セイの手に力が入って
私の手をしっかりと
強く握りしめてきた。
俯いたまま
何も答えようとはしない
セイに
「…いっそのコト
ハッキリここで
僕のコトをフッてくれよ」
でなきゃ
いつまでも
未練たらしく
追いかけてしまいそうだ
って。
先生はセイに
”最後通達”をして。
…本気なんだ。
いつものセイなら
ここで
強がりいっぱいの
タンカを切って
この場を
離れているトコロだろう。
それはたぶん
先生にだって
わかっていて。
「…いいよ。
よくわかった!」
先生は
息を吐ききるようにして
この場の空気を
リセットさせると。
「僕にも
立場があるんでね。
このままだと
なんてウワサされるか
わからない」
先生はイッキに
セリフを言い終えると
精気の抜けた隙だらけの
セイの左肩を
ドン、っと突き飛ばして!
「トーコちゃん!
走るよッ!」
先生は
私の手を引っ張って
歩道を掛け出したッ!