…お見合い相手として
紹介された相手を
どんな対象として
見ていたと
ゆ〜のでしょうかッ。
「この娘は
アゴを削ったら
スッキリするのに、とか。
目を切開したら
今どきの人気女優に
なれそうだ、とか」
先生が
私のココロの中を
まるで読んだかのような
ジョークで
返してきて。
…私をチラリ、見るッ。
「…もしかして
私もそんな目でッ!?」
思わず素直に
問い質してしまったッ。
「お見合いの席
みんなの前で
トーコちゃんが
容姿をバカにされたコトを
気にしてるの?
あれは
あのヒトの作戦だから」
え。
思わぬ答えが
先生の口から返ってきてッ。
「トーコちゃんが
非の打ちどころがない
美人だったとしても、ね。
恐らく同じセリフで
同じように
恥をかかされていたと
思うよ」
あんな場所に
連れてこられて
みんなの前で
恥をかかされれば
「まず僕の嫁になるなんて
考えは改めるだろう?」
「あ…。確かにッ」
それが
あのヒトのやり方だから、って
先生が
申し訳なさそうにして。
「トーコちゃんの顔は
専門医の僕が見ても
バランスが取れているから」
なまじ目を大きくしたり
鼻を高くして
美人に近づけても
「それこそ
トーコちゃんの良さである
愛嬌がなくなってしまうよ」
ルックスとキャラが
合ってるのが
一番だよ、って。
「……」