たくさん並んだ
オイルの瓶の中に

見覚えのある単語。


もしかしてッ、


「オリーブ、って

私が知ってる
あの洋服のブランドと
同じ綴りかなッ」


私がオイルの中から
1本を取り出すと。


「さすがにいいモノ
知ってるね」


選んだのは
その中でも一番高い
オリーブオイルだ、って

指摘されッ。


思わず瓶を
元の位置に戻してしまうッ。


「構わず、それ使ってよ」

って

先生は笑ってるけどッ。


だったら

そんなプチ情報ッ

私の耳に入れないで
くださいなッッ!!!!!


「トーコちゃんは
本当にかわいいね」


先生の
雄々しい腕が伸びてきて

私にオリーブオイルを
手渡した。


「セイはいつも
このオイルを好んで

湯水のように使ってるよ」

って。


油をですかッ。


「こっちの
グレープシードなんか

アロマオイルに混ぜて

風呂上りにのマッサージに
使われちゃってるし」


「……」

風呂上りの
マッサージ、ってッ。

…ここは
聴き流しておこうッ。


私は
先生から受け取った
オリーブオイルを

黙って
フォカッチャとやらの
片面に塗るッ。


先生は

私が下準備した
フォカッチャに

タマネギ、生ハム、アボガド
モッツァレラチーズ

そしてまた生ハムを乗せて。


最後にフォカッチャで
挟むと


フライパンで
軽く焼きあげた。