そんなテツオさんの
スーツの襟元を

先生は
乱暴に肌蹴けさせて


「抜いた脂肪を
胸に入れたな」

「ちょっとだけよッ!」


「……」


…何か

恋人同士みたいな
馴れ馴れしさに見えるのは

気にせいだろうかッ。


先生は
お医者さまだしッ。


患者の状態を確かめようと
カラダを触診したって

全然変じゃないハズ
なんだけど。


クールな先生に

「意地悪ねッ」と
恥じらうテツオさんの

構図が


どうしても
オトコとオンナのソレ、に
見えてきて。


「テツオさんって
先生の幼なじみ

…なんですよね」


「え?」

私の問い掛けに

ふたりのおおきな目が
一斉にこっちに向けられたッ。


ふたりとも
無駄に目がデカイんだが。


…これも整形かッ。


「…テツオと
幼なじみだ、って

僕、トーコちゃんに
教えたっけ?」


「アタシもトーコちゃんには
教えてないよね〜?」


…もしかして

これは彼らの
トップシークレットだった

とかッ!?


「あ、いえッ。
そうなのかな、って

単なるヤマ勘でッ」


「…どうせ

セイが
しゃべっちゃったんだろ?」


「…オトコって
オンナができると

ホントッ
信用できなくなるよね〜」