しかも

セイが”来ない”なんてッ。



「…どういうコトだ?」

先生の顔も
イッキに険しくなる。


「え、やだッ。
ふたりともッ。

そんな恐い顔で
こっちを見ないでよッ」


あまりの迫力に

テツオさんが
縮みあがるようにして

先生のヒザから上がった。


「さっき
セイくんから連絡があって

トーコちゃんが
タカヒロと
イチャついてるから

連れ戻してくれ、って」


「……」
「……」

テツオさんの答えに

先生と
思わず目が合って。


「連絡、って
電話ですか?」


「…なんか公衆電話から
かかってきたみたい」


先生に
腕を強く掴まれて

テツオさんのカラダは
引き気味でッ


答えるトーンも
いつになく
おとなしいッ。


「今どき
公衆電話からの着信に
気軽に出てくれるヤツなんて

そうはいないからな」


「ど〜ゆ〜意味よッ」


「怪しげなゲイクラブで
知り合ったオトコかも、って

着信を確かめもせず

期待して
出るもんな」


「…余計なお世話よッ」


…ってッ

そうなんですかッ!?