…そこに

先生といっしょに
いるんだ。


先生のコト
怒ってるんじゃないんだ?


セイが
憎くて仕方ないのは

セイの傍にいようと
努力しなかった

私、なんだ…。


シャンデリアが
眩しすぎるのか

私の涙腺が緩すぎるのか。


「…セイいい…」

目の前のセイの輪郭線が
どんどんぼやけてきて。


「セイッ、セイッ、セイ

セイッッッ…ッ!!!!!!」


気がつくと

私は大声で
セイの名前を連呼していて。


「あれま。

せっかく
ハイヤーで買い物三昧
豪遊させてやって

機嫌を直してやったのにのう」


おじいちゃんが
私の背中を突っついた。


「まったく
晴れたり曇ったり
忙しいヤツじゃ」


おじいちゃんが
横目で私の表情を
確認してきて。


「……」
「……」


「次はパ〜っと派手に

夜の街にでも
連れ出してやろうかのッ」


もちろん
タカヒロの
支払いじゃがな、って

かっかっか、と
おじいちゃんが高笑いする。


…セイは未成年です。

怪しげな場所に
連れ回さないでください、って


ツッコむ気力さえ
湧き上がらない。


「時計も服も
全部、ジイサマの方へ
回させて貰いますから」


頭上から
聴こえてきた先生の声。


先生が
セイを乗り越えるようにして
こっちに
身を乗り出しているのが

目には
映っているのだけれど。


…あはは。

ぼやけてて
よくわかんないや。