「あのッ!!
待って、停めてくださいッ」
「えッ、いいですけど…」
タクシーの運転手さんが
そっと後ろを指さして。
「!!」
タクシーの中から
後ろを振り返ると
あのまっ黒な
でっかいハイヤーが
タクシーの
すぐ後ろにいてッ。
おじいちゃんが
後部座席のから
私に向って
満面の笑みで
ピースサインを送ってくるッ。
「……」
セイ達もきっと
もう車に乗り込んで
このハイヤーの後ろを
走っているに違いなくて
私がタクシーを降りても
きっと気にも留めず
先生は
走り去るのだろう。
「お客さん。
どうされますか?」
「…後ろを走ってるハズの
ブルーグレイの
オープンカーの
後を追ってくださいッ」
「お客さんッ。
そんな無茶なッ」
前を走っている車なら
ともかく
後ろを走ってる車を
追跡しろ、だなんて。
滅茶苦茶
言ってるのは
自分でもわかってた。
「…お客さん?」
私はそのまま
シートの上に
崩れ落ちるように
横になる。
「…やっぱりそのまま
マンションに行ってください」
そう答えるのが精一杯で。
ナミダが後から後から
溢れ出して
止まらなかった。
先生のベッド♪♪♪
スプリング♂013
≪〜完〜≫
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