大正ロマンは
メガネっこを払い除けると
立ち上がろうとしていた
私の肩を
蹴り飛ばしてッ。
「いいッ!?
タカヒロさんに
やさしくされたからって
合鍵を貰ったからって
調子に
乗ってるんじゃないのッ!」
タカヒロさんに
二度と近づくんじゃない、って
何度も何度も
私のカラダを
蹴りつけてきて。
…このヒト。
本当は
ねずみ〜らんどの先生のコト
好きなんじゃ…。
「先生ッ、ダメですッ。
その子、死んじゃいますッ」
メガネっこが
大正ロマンにしがみついて
懸命に止めようと
しているけれど。
「…どうして
やり返してこないのよッ!」
大正ロマンの目の奥に
嫉妬の炎が燃えているッ。
「……」
こういう場合
やり返したら
倍返しされるのは
わかってますからッッ!!!
私はカラダ中の筋肉を
固くして
身を守った。
「バカにしてッ!!
ちょっと若いからって
ちょっとタカヒロさんの
傍に置いて
貰えてるから、ってッ!!」
可愛くないッ!
可愛くないッ!!!、って
カランコロロンッ。
ベルの音と共に
私はドアの外に蹴り出されッ。
「先生ッ
それはダメですッッ!!!!」
今度はイスを
おおきく振り上げられて
私は思わず
目をつぶったッ!!!