スプリング♂020
「…落ち着こうッ」
私は薄暗い部屋で
”ソレ”から目を逸らしながら
深呼吸、するッ。
「…よしッ!」
ドアの傍にあったスイッチで
部屋の電気を点け
意を決して
そっと振り返ってみた…。
「……」
…見間違いでも
何でもなく
明るくなった部屋の中で
見た”ソレ”は
一層、存在感を増していて。
「マジ、これ…。
信じらんないッ」
ベッドヘッドの壁に
私の身長くらいは
ありそうな
おおきな、おおきな
写真のパネル。
「この写真…」
間違いない…!
「あのときに
撮られたヤツだ!!!!」
忘れもしない。
この部屋で
このベッドで
セイと初めて結ばれて
ひとつになれた日。
私の初体験。
あの日
コトを終えて
しあわせいっぱいで
ベッドで眠りこけていた
私達を
ねずみ〜らんどの先生が
撮影していたのは
知っていたけれど。
…セイのハダカの写真が
引き伸ばされていたのなら
まだ納得もいったと思うッ。
どうして。
どうして。
「私のハダカまで
写ってるん
ですかあああああ!!!!!」