ドアノブの上に数字が4つ。


「これッ
くるくる回したら

数字が変わるんだッ」


どうやら
暗証番号で開く
ドアらしかったけれど


4つくらいなら

「0000から順番に
合わせていったら…」

開けられるかもッ!!!


時間との勝負だ、と

私は地道に

くるくる、くるくる

数字を順番に
合わせていく。


…哀しいかな。

確率の計算なんて
できるワケもなく。


「たかが4つの数合わせッ」

思いっきり
ナメて掛かっていた。


そんなおバカな私にも


「いかんッ。

焦ると汗で手が滑るッ」


本能的に
この部屋にいつまでも
いてはいけない、と

シグナルが出されていてッ。


「だいたいッ。

先生もわざわざ

私とセイを足止めする
理由がわかりませんッ」


お家事情に
関わられたくない、って

追い返すなら
まだわかる。


怪我が本気で
心配だったのなら

さっさと診察して

オジサン達と
顔を合わさせずに
帰すコトだって

出来たハズで。


「私の荷物まで
隠す必要なんてないのにさ〜」