…セイだって。


私をひとり置いて
消えていったけど

荷物がないと
家にも帰れないコト


セイなら
わかってたハズで。


「…留守番してろ、って
コトなのかな」


それとも

単に
私を困らせてやろう、って

意地悪なのか。


「……」

だけど

いつものセイの意地悪とは
それはどこか違っていて。


私の困った顔を
かわいい、って喜んでる

いつものセイの
憎ったらしい笑顔はなく。


むしろ

私を困らせて

何よりも
自分をも追い詰めて…。


自虐的。


そんな風に
感じてしまうのは

私の都合のいい解釈に
過ぎないのだろうか。


…セイの考えているコトが
わからない。


セイの気持ちが
わからない。


くるくる、くるくる
回しても、回しても

いっこうに
正解が出そうにないのは

シューズ・クローゼットの
数字と同じで。


くるくる、くるくる。

私は時間も忘れて
ひたすら数字を回していた。


「どこまでいった?」

「…今、0103…」

「9999までは
いつまでかかりそう?」

…!!!!!!?


「セイッ!!」


いつの間に
戻ってきたのかッ。


気がつくと
私の傍で

私の手元を
覗き込んでいてッ。


「ほ〜らね。

俺の言った通りだった」