ネズミみたいに
与えられたオモチャで
忠実に遊んで
いい子にして
待っていたでしょ、って
セイのセリフに
「まあね」
セイの後ろに立っていた
先生が苦笑する。
「…あのヒト達
送りにいったんじゃ
なかったの!?」
「送ってきたよ」
「階下の
エントランスまでね」
セイと先生は
そう答えながら
部屋の奥へと
消えて行こうと
するけれどッ。
「おじいちゃんはッ!?」
「管理人室に繋げてきた」
えッ。
「手錠のカギは
ハイヤーの運転手に
預けといたから」
あの宅配便の格好をした
オジサン達を
送り終えて戻ってきたら
手錠を外して
連れ帰って貰うコトに
なっている、って
セイってば
笑っててッ。
「どうして
そんなコトッ」
「あのジイチャンがいると
話がややこしくなるからな」
そう言うと
セイは自分のポケットから
ケータイを取り出してッ。
「セイだけ
荷物、返して貰ってるッッ!」
私の指摘を
軽〜く無視して
セイはケータイで
電話を掛け始めた。
「あ、母さん?」
!!!!