先生の足が
私の目の前で
スカートの輪の中に
突っ込まれ
私のスカートが
人質にとられてしまいッ。
先生ッ!
おふざけがすぎてますッ。
「……」
セイの痛いくらいの視線を
感じているのは
私だけではないと
思うのですがッ。
先生ってば
いっこうに
足をどける素振りすらなくて。
「…先生?」
先生の顔を
恐々と見上げると
私と目が合った先生の
口の端が上がって。
「ほら、毛糸のパンツから
青アザが覗いてるよ」
私の太股を指さした。
「あ…」
「ほら、このままの姿勢で
カラダをネジってみて
痛くない?」
先生は私の肩を掴んで
軽く上半身をネジらせる。
「…痛くないです」
「じゃあ、これは?」
先生は淡々と
自分のペースで
診察を始めていて。
「……」
セイの刺すような
視線が痛いッ。
私はこのまま
診察なんて受けていて
いいのだろうかッ。
「先生、あのッ」
「きにしなくていいよ」
先生が
私のココロを
見透かすように
「診察するコト自体に
不満があるなら
とっくに
トーコちゃんを
連れ帰っているだろう」
先生は
セイに聴こえるように
わざと声のトーンを
一段高くした。