「ごっ、ごめんッ!!!!」
そのスキに先生は
手早くセイの上半身を
ハダカにして。
「…こりゃ、酷い」
セイの背中を診ていた
先生のひと言に
正面からセイのカラダを
支えていた私も
思わず
背中を覗き込んでしまう。
セイの
背中から脇腹に掛けて
チラッとだけど
でもハッキリと
濃い色のアザを確認できた。
「…病院で
レントゲンを
撮っておいた方がいいな」
先生が電話で
自分の病院に連絡を入れる。
「ラッキーだったな。
レントゲン医師が
まだ居残ってくれてて」
先生は
セイのカラダに
手早く応急処置を施して
「車を出すから」
玄関に向った。
その後を
私はセイのカラダを
支えながら
ゆっくりと
ついていく。
「…大袈裟なんだからな」
「息を吸っても
痛むだろうに
どこまで
キミは強がるのか」
そんなセイを見て
先生が嬉しそうに笑う。
「ほら、靴を履いて」
先生が
セイの足元に跪いた。
そんな先生に
あれ程
大丈夫だ
大袈裟だ、と
主張しておきながら
セイは自分の足を
先生に差し出してッ!!!
アンタは
こういうときまで
王様かッ!!!
まるで
先生と自分の力関係を
確認するかのような
その彼らの行為に
「先生!
私が履かせますからッ」
思わず
口を挟んでしまったッ。