「…トーコちゃんは
ここはいいから」

「よくありませんッ!!」


「先に
自分のスカートを
穿いておいで」


「!!!!!!!!」


先生の指摘に
顔から
火が出そうになるッ!!!!


お尻の白にゃんこを
隠しながら

私は廊下を
急いで後にした。


「ああ〜。

もう信じられないッ。
情けないッ」


スカートを履きながら

「今度は忘れちゃいけない
ケータイとサイフッ」

両手に2点を
しっかり持って

玄関に戻ったのに。


…そこにはもう
誰もいなくてッ!!!


「どうして
私を置き去りに
していくかなッ」


玄関から
エレベーターホールを
覗いても

やっぱり誰もいなかった。


「でもツ!

先生の病院なら
何度か行ったコトがあるから
わかってるもんねッ」


コートを取りに
リビングに戻ると

ケータイが着信を
知らせてくるッ。


「誰だッ、こんなときに」

無視しようと
電源を切ろうとしたら

「セイからだッ!!」

慌てて
ケータイ電話を
耳に当てたッ。


『悪いけど。

お前、そこで
留守番しててくれる?』


いきなり
何を切り出して
くるのやらッ。