管理人室の入口近くの
手すりに繋がれている
おじいちゃん。
そのおじいちゃんに
繋がれている
この私ッ。
この恐ろしい
シチュエーションは
何なのかッ。
「手錠のカギを持っている
ハイヤーのドライバーさんは
まだ戻って
こないんですかッ!?」
思わず
管理人さんに
食らいつくッ。
「…さあ。
何か郊外まで
お客さんを送ってくるって
言ってたから」
往復でも2時間は
掛かるんじゃないか、って
管理人さんは
苦笑しながら
溜息をついていてッ。
「トイレにお風呂。
いよいよ
お前さんの全てを
この目にするときが来たッ」
うひょひょひょひょおお
って。
「…どうして
そこまで私のハダカを
見たがるんですか?」
「こう見えても
ワシも
美容整形界の神様とまで
言われたオトコじゃ」
どんなに巧みに
女性に性転換しても
この目と手は
誤魔化せぬ、ってッ。
「…あくまで
私がオトコ、だと?」
「頑なに
ワシを拒絶しとるのは
見破られるのが恐いからで
あろう?」