「…知らないオトコのヒトに
カラダを見られたいと思う
オンナなんて
いないと思いますけれどッ」
「そんなコトはないッ」
美容整形のトップに立って
早、70年!
「ワシの前に出たら
オナゴはみんな
素直に全てをさらけ出すッ」
おじいちゃんが
自慢げに胸を張った。
…それは
患者さんだから、だと
思われますがッ。
「みんな恥ずかしげに
頬を染めながら
ワシの言われる通りに
素直に身を委ねてきてのお」
くふふふふ、と
何やら
おじいちゃんが
思い出し笑いを始めたりして
背中に寒いモノが
走りますううううう。
「切断する道具かなんか
ないですかッ!?」
私は再び管理人さんに
食らいついたッ。
「…」
管理人さんってば
他人事だと思ってッッ!!!
「こんなトコロに
足止めされているワケには
行かないんですッ!!」
大事な留守番を
頼まれていて
部屋のカギを開けっ放しで
出てきちゃった、と
訴えるッ!
「ココになくても
警備会社のヒトなら
持っているのではッ!?」
「ここのガラスとか
割ったら
きっと飛んでくる
じゃろう〜♪」
おじいちゃんが
楽しそうに
狭い管理人室で
ステッキを振り回した。
「…勘弁してくださいよ」