スプリング♂025
「オッと、イケない!」
彼との約束の時間が
過ぎちゃうわ。って
テツオさんが
シャワーを浴びにいく。
「…ふたりっきりじゃな」
「……」
おじいちゃんのセリフに
背中に寒いモノが走るのを
感じつつ
私は
おじいちゃんを無視して
ケータイ電話を
再び手にした。
今、セイに電話しても
繋がらないのは
わかっているけれど。
…着信履歴ぐらい
残しても
別にいいよね。
セイに電話するのに
何故か緊張してしまうのは
やっぱり
自分の中の
下心みたいなモノに
後ろめたさを
感じているせいなのか。
そりゃあ。
セイの怪我の状態も
気になってるってゆ〜のも
本当なんだけど
セイが、その
もっと
何てゆ〜か、先生に…。
「お前さん
何をしとるんじゃ?」
「!!!」
…び、びっくりしたッ。
おじいちゃんが
私にくっつくようにして
私のケータイを持つ手元を
覗き込んでいてッ。
「エロ雑誌を読んでいる
トコロを
親に見つかった
青少年のような反応じゃな」
「……」
「図星かッ」
おじいちゃんッ。
アナタのアタマの中には
そんな表現の引き出ししか
ないのでしょうかッ。
「…見れば
わかるでしょうッ?
ケータイですからッ」
「ふぉっふぉっふぉ。
ワシは知っとるぞ」
ケータイから
アダルトサイトに
アクセス
できるんじゃろう、って。
…もしもしもしッ。