まさか
この年齢で
あっちの方も現役だとは
思えないけれどッ。
ああ〜ッ。
想像しただけで
鳥肌がッ。
「震えておるのか?」
「……」
「タカヒロの飼っておった
文鳥によく似ておるわ」
ふうううう、って
耳元に
息を吹き掛けられてッ。
「……」
お年寄りには
親切にッ。
尊敬の気持ちを
持ちましょうッ。
パパやママに
そう教育されて育った
私ですがッッ!!!
「いい加減に
してくださいッッ!!!」
バコッッ!!!
画材店で購入した
粘土状のパテが
おじいちゃんの顔に
ヒットするッ!
「もおおおお、嫌ッ!
これ以上
くっついてきたら
お年寄りでも
容赦はしませんからッ」
そうタンカを切って
バコンッ!
パテを
テーブルの上に置いたッ。
「…タカヒロの母親の
形見のテーブルじゃぞ」
「う」
おじいちゃんの
つぶやきに
動揺するッ。
思わず
勢いづいてしまって
いたけれど。
「…粘土状だし
ほら!
傷だって
ついてないですよッ」
「ワシは傷ついたけどなッ」
おじいちゃんの鼻から
ボタボタ、と
血が滴り落ちていて
「形見のテーブルが
血だらけじゃッ」
あわあわあわッ。