『骨に少し
ヒビが入っててね。

ウチの病院にある
酸素カプセルに入って

全治2週間くらいかな』


今日はこのまま入院させて
様子を見るから、ってッ!


「私も今から
そっちに向かいますからッ」

『……』

「もしもしッ!?
先生ッ、聴こえてますかッ!?」


『…もう面会時間は
終わってるから』

ってッ!

今の間は
明らかに怪し過ぎでッ!!!


「先生は
その病院の副院長ですよねッ」


「ワシはその病院の
名誉会長じゃ」

「アタシは
その病院の就労歯科医師♪」


…みなさんは
黙っててくださいッ!


『…どうして
ジイサマまでもが
トーコちゃんと
いっしょにいるのか
わからないけど』


テツオもいっしょなら
安心だ、って

「もしもしッ!?
先生ッ!!!?」


電話を一方的に切るのは
どうかと思われますッ。


ツー、ツー、ツー。


「切られちゃったの?」


「怪しいなッ。

タカヒロのヤツ
テゴメにする気じゃぞッ」


「ヤダ〜ッ!
大先生、表現が古う〜い♪」


「今の若人だと
どんな言い方をするのじゃ?」


「そうねえ。

夜這いを掛ける、とか
襲っちゃう、とかッ♪」


…もしもしもしッ。


「クスリで眠らせておいて
したい放題かッ」


「いや〜ん♪
楽しそうおおおおお」


「……」

私はリダイヤルして
先生に電話を掛けるッ。


「お楽しみを奪われるのが
わかってて

タカヒロが
電話に出るワケ
ないじゃないッ」


…そんなッ!