スプリング♂026


大正ロマンは
アイラインくっきりの
細い目を

さらに細くして

私とおじいちゃんの
背後にある箱の中身を
覗き見ようとしていてッ。


「お前さんには
関係なかろうッ」

おじいちゃんが
玄関ドアを
強引に閉めようとした。


「…その手錠は
なんですのッ?」

ドアの隙間に
大正ロマンの足を挟まれ
阻止されるッ。


「これかッ?

これはじゃなッ」


スルーすればいいのに
おじいちゃんってば


「タカヒロの
趣味のオモチャじゃッ」


なんてッ!!!


「ま、あッ…!!」


そんなコト
このヒトに
教えちゃったりしてッ。

「タカヒロさんが
そんなモノで…ッ

どんなッ」


絶対に
後で先生に
恨まれますからッッ!!!


「決まっておるじゃろ。

ベッドの上で
にゃんにゃんするときに
使うんじゃ」


「おじいちゃんッ」


大正ロマンをからかって

面白がって
いるでしょうッ!!!



「…タカヒロさんが…ッ!?」

大正ロマンの
アタマの中では

どんな妄想が
出来上がっているのやらッ。


「タカヒロはな。

夜な夜な
かわいいオトコノコと

こうやって、じゃな」


どさくさ紛れに

おじいちゃんが
私の頬に
チュウをしてッッッ!!!