「テツオッ。
お前さんが
デリカシーもなく
この子の前で
そんな豊満なオッパイを
見せつけたりするからじゃッ」
「ええッ!?
そうなのッ!?
ごめんね、トーコちゃんッ」
「たとえ
タカヒロがデカイ胸を
嫌ってても
ワシが豊胸手術で
ちょいちょい、と、なッ」
「そうよッ!
もう少しオトナになったら
大先生にタダで
やって貰いなさいよッ
ね!?」
…私の涙が
豊胸手術を受ける話に
どうして
発展してしまうのかッ。
こんなにも
絶望のどん底で
もがいているというのに
どこからともなく
陽気な落語のお囃子まで
聴こえてきて…。
「おッ
ウワサをすれば、じゃな」
タカヒロから
電話が掛ってきたぞ、と
おじいちゃんが
陽気なお囃子の流れる
ケータイに出る。
え。
「先生からの
電話なんですかッッッ!!」
おじいちゃんから
なかば強引に
ケータイを奪ったモノのッ!
ツー、ツー、ツー…。
「…あ」
「タカヒロのヤツッ
誰か使いの者を
よこすから
それまで
部屋で待ってろ、じゃとッ」
自分が言いたいコトだけ
言って
電話を一方的に
切りおった、って
おじいちゃんが
憤慨しているけどッ。
「使いの者って…?」
「どうせ当直医か
後輩のインターンの
オトコノコか何かでしょ」
「当直医をここによこして
自分はセイくんを
ひとり占めかッ!」
「あり得るわね〜♪」
むむむむむッ。
むむむむむッ。
むむむむむむむううううッ。
想像するには
余りにも
そっちの方面に関する知識が
浅すぎて
アタマの中が
ただ真っ白に
沸騰していくのが
自分でもわかったッ。