「大丈夫じゃ。

5分に1度
またこの動画を
送りつけてやったら

さすがのタカヒロも
ヤル気も萎えるじゃろうて」


「…え?」

動画?


「動画って
まさかさっきの…」

オカルト大正ロマンを

先生に送ったんじゃ
ないでしょう
ねえええええッッ!!!!


「そりゃ、あんな動画
送られてきたんじゃ

タカヒロだって
何事か、って
電話も掛けてくるわよね」


ってッ!


「送ったんですかッ!!!」

「まあ
ほんの触り程度じゃ…」


充分ですッ!!!!!


あんなモノを
撮影されたあげく

愛するヒトに
送りつけられたと
大正ロマンが知ったら

どうなるかッ。


想像するのも
コワイですッッ!!!!


「…じゃ、アタシッ
彼が待ってるからッ」


この空気を読んで

そそくさと

洗面所に消えていこうとする
テツオさんの腕を

私は逃がすまい、と
捕まえるッ。


「…私がおじいちゃんと
この部屋を出ますからッ!」

「えッ」


「テツオさんが
彼氏をこの部屋に呼んで

ふたりで留守番、なんて
して貰えたりすると
ありがたいんですがッ」


「それは…、あは」


私の背中から立ち上る
決死のオーラに

テツオさんも
断るに断れずにいた。

のにッ!!!!!