気がつくと私は
手元にあったスポンジを
掴んで
「セイなんてッ!
セイなんてッ!
セイなんてッ!!!!」
バシッ!
憎ったらしいセイの後頭部に
投げつけていてッ!
「…何だ、今のはッ」
「見ればわかるでしょッ!
皿洗い用のスポンジよッ!!」
「怪我人に向かって
モノを投げつけてくるなんて
信じられない愚業だな」
「スポンジくらいで
大袈裟なんだからッ!!」
ココロにもない
余計なひと言が
さらに
セイの怒りを買ってしまう。
「……」
セイが足元に落ちていた
スポンジを拾って
足早に私に近づいてきて!
「な、何よッ!?」
水道の水を勢いよく出した
セイが
水をたっぷり含ませた
スポンジを
私の背中に
突っ込もうとしたッ!!!
「いやッ!
やめてッッ!!!!」
私は必死で応戦するッ!
水しぶきが飛んで
ふたり水浸しになりながら
だけど
どちらも譲らないッ。
「痛ッ…!」
「セイッ!?」
揉み合っているときに
背中をひねったんだろうか。
額に汗をにじませながら
セイがその場に
うずくまってしまった!!!