「…今月は
ビリヤードでさ。

優勝賞品は

宇宙人の残していった
金星の石!」


「……」


「先生には

どんな手段を使っても
必ず賞品を持ち帰るように、と

俺が至上命令を
出しているから」


ってッ。


またセイが
先生に無理難題を
押しつけていてッ。


「…先生って
ビリヤード、得意なヒト?」


「ああ見えて
交渉事は得意なヒトだから」

必ず
持ち帰ってくるだろう、って。


「……」

それはもしかして

純粋に
ビリヤードで
優勝を目指すのではなく


優勝者に交渉して
手に入れる

とゆ〜意味
なのでしょうかッ。


「俺が欲しがったモノは

何としてでも
手に入れてくれるヒトだから」


…先生ッ。


「地球上には存在しない
未知の鉱物が
たくさん含まれていてさ。

不思議な波動を
出すらしいんだけどね」


オカルト好きのセイの顔が

手に入れる前から
もうニヤケているッ。


「トーコも見たいだろ?
金星の石!」


少年の無邪気な笑顔。


「……」

…セイの
こんな過剰な期待を
見せつけられちゃあ

そりゃあ

あの先生は
死んでも頑張っちゃうよね〜。