「…セイッ!!」
ベッドサイドで
体勢を立て直しながら
セイの方に
顔を向けると
バタン…。
静かにドアが閉まる音がして。
「……」
セイが電気のスイッチを
点けたり消したり
激しく点滅させ始める。
セイの妖しい立ち姿が
浮かんだり
消えたりして。
「ごくり」
思わず息を飲んでしまったッ。
おおきな写真パネルの下。
私は腰が抜けたみたいに
座り込んでしまっていて。
「…セイ。
本当に怪我してるんだよね?」
「見たい?」
セイは
ドアの前に立ったまま
スーツのジャケットを
床に落としたッ。
セイの思惑通りの展開に
「見たいとか
そういうんじゃなくてッ」
ベッドサイドで焦る私を
見下ろしながら
「ふふん」
セイが
自分のシャツのボタンを
焦らし気味に
外していく…。
ヒビが入っているという
肋骨の動きを抑える為の
バストバンドが
目の前に現れて。
その妖しい立ち姿に
私は耳まで赤くなるッ。
「外してくれる?」
なんて。
…それは
自分にとっての
マゾ的行為なのか。
それとも
私に対する
サド的行為なのか。