屈辱にまみれた私を

リビングのソファーの上
セイが上半身ハダカのまま

笑って見ていてッ。


図々しくも
ソファーの真ん中に
でん、と座りながら

ひとりで
炭酸水を飲んでいるッ。


「そんなトコロにいたら
思いっきり
掃除の邪魔でしょうッ」


憤りをぶつける私に


「そんなコトはないだろ?」


ねえ?、って

セイは
隣りで掃除機を掛けていた
オバサンに

流し目をしてッ。


「はいッ。
自由にしてくださってて
いいんですよ」

ってッ。


…この態度の差は
何なんだッ。


「ま、お前も座れば?」


なんてッ。

アンタはいったい
何サマなんですかッ。


「……」

私は憎たらしいセイから
炭酸水の瓶を取り上げたッ。


「…飲みたいなら
自分でグラス持って来いよ」


セイが
食器棚に陳列された
グラスを指さして。


「ついでに俺の分も

シャンパン用の細長いヤツ
出してきてよ」


…私を小間使いのように
扱っているッ。


「扱いに気をつけろよ」


あの先生が
食洗器に入れず

自分で手洗いするくらい
大事にしてるグラス達
だから

ってッ。


「!!!!!」

思わず緊張から

グラスを
取り落としそうに
なりましたッ!