「飲まないの?」
セイさまが
御自ら注いでくださった
炭酸水ですがッ
恐くてグラスが
手に取れませんッ。
確かに
グラスの足元には
キラキラと輝く
”何か”がついていてッ。
宝石だったら
とんでもない額に
違いないッ。
…グラスを
持つセイの手が
キラキラと輝いていて。
…このグラスは
セイみたいな美しい人間に
使われる為に
創られたんだろうな。
「……」
何だか
見とれているコトすらも
罪深い気すらしてくる…。
「あの〜。
これは
捨ててもいいモノでしょうか」
夢のような空間を
現実に引き戻す
ハウスクリーングの
オジサンの声ッ。
セイの目の前に
ビニール袋を差し出して
いるけれどッ!!!
「あッ!、それは…!」
「…何だ、これ?」
セイが
私が買ってきたパテを
袋から取り出した。
…おじいちゃんと格闘して
振り回していたから
ふためと見れぬくらい
潰れていて
「…金色のマーカーが
パテに埋もれているぞ…」
セイの眉間にシワが寄ったッ。