「セイッ!!!!!」


「ほらイッキに
引っ張り上げるぞ!」


セイの表情が逆光になって
見えなかったけど。

その後ろに
後光が差して見える。


「トーコさんッ」

大正ロマンが
身を乗り出して

私の制服を掴もうとして


「ぐうッ」

その手が
セイの痛めていた肩に触れた。


「セイくんッ!」


セイが痛みにカラダを
縮めた瞬間。


驚いたテツオさんの
腕の中から

私の足が
するり、と抜けて!!!!


「きゃあああああああ!!!」


テツオさんの
絶叫が響き渡る。


うそおおおおおおおお。


…もうダメかと思ったのに。


私のカラダは
マンションの9階で

宙づりになって
浮いているッッ。


セイのその手は

私のベルト芯を
掴んだまま離すコトはなく。


「セイ…!」


セイの怪我をしていた方の
手首に繋がれていた手錠が

ベランダの
鉄飾りの突起部分に
しっかりと引っ掛かっていた。


「…くッ」